2025年4月27日にリバティアイランドが安楽死の処置を施されたことが分った。
同日に香港で開催された、クイーンエリザベス2世カップ(G1)での重篤な故障によるもので
レースの最後の直線で左前脚に故障が発生し、獣医師の診断により「予後不良」と判断されました。
具体的には、左前脚の種子骨靭帯の内側と外側の両方が断裂し、球節部の亜脱臼により球節部が地面に着く状態であった。
このような重度の怪我は競走馬にとって回復が極めて困難であり、長期の苦痛を伴うため、獣医師の判断のもと安楽死が選択されました。
突然の悲劇に見舞われた彼女だが、これまでの功績は多くの人に感動と勇気を与えました。
そんな彼女の華やかな勝利と感動を皆さんにご紹介していきたいと思います!
デビューから牝馬三冠へ:圧倒的な才能の開花
リバティアイランド(父ドゥラメンテ、母ヤンキーローズ)は、2022年7月31日の新潟2歳戦(2歳新馬、芝1600m)でデビュー。
川田将雅騎手を背に、単勝1.8倍の圧倒的な支持を受けました。結果は2着に2馬身半差をつける快勝!
新馬戦らしい落ち着いたペースの中、鋭い末脚で後続を突き放す姿に、早くも「大物感」が漂っていました。
同年10月のアルテミスステークス(G3、芝1600m)では、2番人気で出走。直線で鋭く抜け出し、ラヴェル以下を抑えて重賞初制覇。
この勝利で、彼女のクラシック戦線での期待が一気に高まりました。
続く阪神ジュベナイルフィリーズ(G1、芝1600m)では、単勝1.4倍の断然人気。
後方から鋭く伸び、2着シンリョクカに1馬身1/4差をつけてG1初制覇!2歳女王の座を手にし、2023年への大きな期待を抱かせました。
2023年、3歳シーズンの幕開けは桜花賞(G1、芝1600m)。単勝1.4倍の圧倒的支持を受け、2着コナコーストに3馬身差をつける圧巻の勝利。
彼女の末脚はまるで別次元で、観客を魅了しました。続くオークス(G1、芝2400m)でも、単勝1.3倍で1番人気。
後方から一気に差し切り、2着ハーパーに1馬身差で勝利。距離延長もものともせず、2冠を達成しました。
そして、秋華賞(G1、芝2000m)。ここでも単勝1.4倍の人気を集め、2着マスクトディーヴァに1馬身差で勝利。
牝馬三冠を達成した瞬間、競馬場は歓声に包まれました。ディープインパクト産駒以来となる牝馬三冠馬の誕生に、ファンは感動の涙を流したことでしょう。
彼女の走りは、力強く、優雅で、まさに「リバティ(自由)」そのものでした。
古馬との戦い:さらなる挑戦と成長
牝馬三冠を達成したリバティアイランドは、4歳シーズンに向けてさらなる飛躍を目指します。
2023年11月のジャパンカップ(G1、芝2400m)では、牡馬の頂点イクイノックスや古馬の強豪と対戦。
単勝3.8倍の2番人気で挑みましたが、イクイノックスの歴史的なレコード勝ちの前に2着。
1着との差は4馬身でしたが、世界トップレベルの舞台で堂々の走りを見せ、彼女のポテンシャルの高さを証明しました。
2024年、4歳初戦はドバイシーマクラシック(G1、芝2410m)。世界の強豪が集まる中、単勝2.8倍の支持を受け、2着オーギュストロダンに1馬身差の勝利!
日本馬として同レース初制覇の快挙を成し遂げ、彼女の名は世界に轟きました。この勝利は、彼女が単なる牝馬三冠馬ではなく、グローバルなスターであることを示しました。
帰国後は宝塚記念(G1、芝2200m)に出走。単勝2.1倍の1番人気でしたが、稍重馬場とタフな展開が影響し、3着。
勝ち馬ドウ には及ばなかったものの、掲示板を確保し、安定感を見せました。
秋にはエリザベス女王杯(G1、芝2200m)で1番人気に応え、2着ブレイディヴェーグに2馬身差の圧勝。
国内での安定した強さを改めて示しました。
リバティアイランドの遺産
通算成績は14戦10勝、2着2回、3着1回。獲得賞金は約12億円に上ります。
牝馬三冠、ドバイシーマクラシック制覇、ジャパンカップ2着など、彼女の成績は競馬史に燦然と輝きます。しかし、彼女の魅力は数字だけではありません。
後方から一気に突き抜ける末脚、どんな舞台でもひるまない闘志、そしてファンを魅了する優雅な走り。
それらがリバティアイランドという名馬を形作っていました。
彼女の最期はあまりに悲劇的でしたが、その輝きは決して色褪せません。
競馬ファンの心に、彼女の走りは永遠に刻まれています。リバティアイランド、ありがとう。あなたの自由な走りを、私たちは決して忘れません。